退職は逃げや甘え?いいえ、前向きな看護師の戦略の一つです

もう嫌だ。辛い、辞めたい。

そんな風に苦しい想いを抱えながら、毎日重い身体を引きずる様にして出勤し続けている新人看護師さん、いますよね。
そういう方は、今退職してしまっていいのか、同期はみんな頑張っているのに自分だけ退職するのは逃げや甘えなのではないだろうか、と悩んでいるのではないでしょうか。

なぜなら「石の上にも3年」という言葉があるように、仕事においては3年勤続してやっと一人前という考え方があるからです。
でも我慢に我慢を重ねる3年間って本当に必要なものでしょうか。

私は初めて勤務した病院を1年5か月で退職しました。
当時の私もたくさん悩み葛藤しましたが、今では本当に退職してよかったと思うことができています。

この記事では、退職することを後ろ向きに捉えていた私を変えた3つの考え方を紹介します。

合わない環境は看護師としての成長を遅くする

看護師は資格をとって仕事に就いてからも、ずっと勉強をし続ける必要があります。
特に新人のうちは毎日初めてのことばかりなので、どんなに遅く帰っても、その日のうちにわからなかったことを復習し、次に同じ場面に遭遇したときにはミスなくできるようになっている必要があります。

でも、仕事で胸が潰れるような辛い想いをし続けると、「せめて家の中では仕事のことから離れたい」というネガティブな感情が、成長したいというポジティブな感情を上回り、家に帰ってからもメモや参考書を開くことができないという行動になって表れてしまうようになります

仕事にやりがいをもって、もっと知識や技術を吸収したいと思いながら働いている看護師とはどんどん差がついていってしまうのです。
頑張りたいのに頑張れないのって本当に辛いですよね。
経験年数だけ重ねても、気が付けば知識や技術が伴わない悲しい看護師になってしまっているかもしれません。

環境を変えることで、もう一度本来の自分を取り戻しませんか。
退職は遠回りに見えても、実は成長するための近道になり得るのです。

自分が満たされていないと患者さんにベストな看護を提供できなくなる

これ。ハッとしませんか。

看護師なら誰もが「患者さんの力になりたい」という気持ちをもって、看護師の道を志したと思います。
でも、自分の心に全く余裕がない状態で、患者さんに更衣を援助したばかりの寝衣に食事をこぼされたり、せっかく取った点滴ルートを自己抜去されたりしたとき、患者さんを案ずる気持ちより先に苛立ちが生じてしまったことはないでしょうか。

私は先輩から報告が遅いと厳しく叱責されることが多かったので、患者さんの話が長くなると、報告の時間に間に合わなくなるのではないかと焦りや不安が強くなり、落ち着かなくなってしまうことが多くありました。

そんなある日、通っていた歯医者さんから「看護師になったんだよね。仕事はどう?」と尋ねられました。
「辛いです…」と正直に返答したところ、その歯医者さんは少し考えてから「医療職ってまず自分が満たされて、そこから溢れる気持ちで患者さんに接しないと上手くいかなくなっちゃうよね。だから無理し過ぎたら駄目だよ」と言ってくれたのです。

合わない環境に身を置き続けることで、自分が辛いだけでなく、患者さんにも適切な看護ができなくなってしまうことがある
もし、患者さんのことを一番に考えてあげられなくなるくらい仕事の辛さにとらわれていたら…それは働く環境を考え直す必要のある一つのサインなのかもしれません。

退職しないことこそが逃げや甘えの場合がある

辛い環境でも勤務し続ける理由が、その職場でしか身に付けられない技術や経験があるとか、こういう看護師になりたいと思える理想の先輩がいる等であれば、もう少し頑張って働き続けてみても良いと思います。

でももし、「同期から」落ちこぼれと思われたくないとか、「親に」心配をかけたくないとか、教えてくれている「プリセプターに」申し訳ないとか、人員不足なのに辞めると伝えたときの「先輩の」反応が怖い等、「自分以外」の誰かの目を気にして退職をためらっているのであれば、それは今すぐ考え直した方が良いでしょう

人はもともと変化を嫌う生き物です。
次の職場を探すこと、履歴書をつくって面接を受けること、現職場に退職を申し出ること、未知なる世界に飛び込んでいくこと、転職はその全てに大きなエネルギーを要します。
人は、その負荷を避けるために、無意識に言い訳を探して今いる環境に身を置き続けようとしてしまうのです。
でもそれは楽をしたいだけ。自分を幸せにしてあげる勇気がないだけです。

退職は決して逃げや甘えではありません
自分に強い負荷をかけてでも、充実した看護師人生を送ると決意した人が行う、前向きな行動の一つなのです。

まとめ

いかがでしたか?
退職はネガティブなものという考えが少し変わったのではないでしょうか。

辛い想いをしながら働いている看護師さんが、前向きな一歩を踏み出すきっかけになることができればとても嬉しいです。
一緒に頑張りましょう!

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